ショップ「初音 ANGEL FORCE」にて…。

八重泰行「ぶっちゃけた話さ、売ろうと思うんだよね、あのGC8。」
元芳拓也「ふ〜ん…って、えぇ!?」
八重「いや、さ。あの日負けてからねぇ…。あれシェイクダウンだったし。」
元芳「それならもっと乗るべきだと思うけどねぇ…。」
八重「シェイクダウンで負けて、俺のチューンの腕じゃおっつかないんだよね。だから湾岸降りて峠かっ飛ばそうかな。」
元芳「へぇ〜。で、その車は?」
八重「HCR32ってとこかな。安いの入ったし。MTで修復歴無し、走行少ないと来たらもう買うっしょ。」
元芳「まぁね…。で、そのインプが何処行くかだ。」
八重「そうなんだよねぇ…。お前の周りにボクサー使い居なかったっけ?」
元芳「まぁ、心当たりなら有るけど。」
朝倉音夢「もう、兄さん飛ばしすぎ。」
朝倉純一「んなこと言ってもだなぁ。たまには飛ばさないと、腕が鈍るだろうが。」
音夢「兄さんは峠と一般道の区別が付いてないんです。」
元芳「…ココに居たよ。」
八重「お、音夢久しぶり。」
音夢「あ、久しぶり。元気してた?」
八重「もうバリバリってトコかな。湾岸飛ばしたり。」
音夢「何か兄さんに似てるよぉ〜。兄さん湾岸じゃなくて一般道飛ばしてるから…」
八重「はぁ〜、純一はB4か。黒で渋いねェ…。」
純一「そう言うお前は?ランエボか?アルテか?それとも軽トラ?」
八重「お前、口にリベット打ってやろうか?」
純一「悪かった。で、本当は何だ?」
八重「GC8なんだけどね。売ろうかって話になって。」
「なんだ、勿体無い。じゃ音夢乗れば?」
音夢「え、な、何で私が?」
純一「お前、何時までも俺の車で…ごふっ!」
八重「見事なアッパーだ…。」
音夢「おほほほほほほ、体が勝手に…。はぁ…。」
八重「にしても、アレほどの化けモンを乗りこなせるかってのが問題だな。
F1タービンにブースト結構かけて600弱って所か。」
元芳「で、1回バーストさせてエンジンに負担掛かってるからO/Hと。めんどいねぇ…。」
八重「ま、O/Hはお前に任せた。後はどんだけ趣味に合わせるか…ごっ!(笑」
「趣味って何ですか趣味って(笑)」
元芳「これまた見事なアッパーカット…。」
八重「まぁ、そんなのは良いわ。ちと痛いけど。で、良いのか?アレじゃなくて。」
元芳「あぁはいはい、アレじゃなくても良いだろ。幾らなんでもフレーム起こしてばっかの奴使わせるわけにゃいかんだろ。
あれはもう暫くしてからだな。」
八重「まぁそうだな…。」
元芳「流石にエンジン整備にも時間が掛かる。何せフロントから大胆に土手落ちたからな、見た目平気でも中がダメだ。」
音夢「じゃ、それが出来るまではこれを湾岸で走らせます。それで良いでしょ、兄さん。」
純一「あぁ、音夢がそれで良いなら…。」
八重「で、アイツが出来たらそいつは峠へ戻るかな。」
音夢「戻るって…?」
元芳「そいつ、前のオーナーが峠専門にしててね。で、八重が買ったときに湾岸走るって言い出して。
それで事故車のエンジン引っ張ってきてO/H、ブースト掛けて大丈夫にしたのさ。」
八重「で、シェイクダウンでバーストしてと。」
元芳「目の前で消えたからな〜。ありゃビックリした。」
「そして今に至るって事?」
八重「まぁそうだな。と言うわけで、これがキー、これが車検書…」
こうして音夢の手元へと渡ったGC8インプレッサのスペック。
カラーはプラチナホワイトでANGEL WINGSエアロ スピードライン5スポークホイール。
ドゥーラック ローマウントGTウイング、F1タービンAPEXi N1マフラー、HKSハイパフォーマンスサス

数日後…。
元芳「よっしゃ、O/H終了。これで良しっと。」
ギャギャギャ…。
ゴォファァァァァァァァァァアアア!!!!
元芳「ひゃ〜、流石ボクサー。重低音良いわぁ〜。」
音夢「あ、ようやく終わったんですね。」
元芳「おうよ、でもちと眠いから寝るわ。」
音夢「何なんですか…。」
元芳「数日間寝とらんからねかしちくり。」
そして夜…。
元芳「うっしゃ、行くかねって、お前もうそこまで仕上げたのかよ。」
八重「まぁな。SR20DET+HKS GT2835Proタービン+NOSで武装。」
元芳「何時の間にそこまで…。」
八重「お前が寝ずにO/Hしてる間にちゃっちゃと仕上げた。」
元芳「ま、どうでも良いや、とりあえず行くかね、音夢さんや。」
ゴヒャッ!ゴォアッ!
ゴオォォォォォオオオオオオ!
元芳「えーと、ブースト1.5だから…今は450ちょい超えくらいかな。」
ゴッ!
ヒャァァァァァアアアアアア!
八重「う〜わ、SRじゃ湾岸は辛い…。やっぱ峠専門だよコイツ。」
SR峠仕様ではEJ20湾岸チューンについて行けないと悟った模様。
元芳「やっぱり突っ張ってないと辛いわ…これ。」
音夢「そうですか?私は平気ですけど…。」
元芳「そっちはハンドル握ってるからね…。助手席は辛いっての」
八重「う〜わ、もう見えない…。ブーストもっと掛けるか…?」
数十分後、ショップにて…。
八重「速過ぎ。見えない。」
元芳「そりゃ350キロ出たら速いわな…。ぶっちゃけ隣乗ってて怖い。」
八重「運転してる方が楽しいなこれ…。」
元芳「ぶっちゃけそうだな。もうジェットコースターなんか怖くないで。」
八重「相当グロッキーだな…。」
元芳「そっちこそ相当ショックうけたろ。」
八重「あぁ、まぁな…。で、音夢は?」
元芳「あぁ、帰ったよ。兄さんに飯作るっつって。」
八重「殺人兵器パート2ってトコか?」
元芳「まぁな。アイツの料理食えたもんじゃないっての。」
八重「食ったこと有るのか!?」
元芳「まぁな。アレは死ぬわ。」
八重「じゃ、飯でも食いに行くか。」
元芳「音夢のは勘弁な。」
八重「俺もだ。」